先週の土曜のクラス風景です。この日は、カレンダーの都合で3月の最終日となりました。
この日は7人のご出席で、コロナの影響で少なめです。3名の方がマスターコースの方でしたが、マスターコースは、ブログであまりを紹介していませんでしたので、今日はスポットを当ててみました。
ご興味のない方、申し訳ございません。
煮詰まる!
Oさん、マスターコース課題の包みアリ接ぎの加工をされています。左がオス側(男木)、右がメス側(女木)。
いつも、感心します。道具を扱う手つきがすばらしい!
マスターコースはやはり、難易度が高くなります。
マスターコースの課題のむつかしさは、
男木と女木を合体すると、隙間が空くけど「なんで?」…、
いつのまにか、ノミを不必要に削り過ぎて…、
墨付けが合わん、なんで?。
などと、基礎コースとは違った不都合が出てきやすいのですが、自分で考えてもその原因がわかりにくく、また、何度やっても同じ症状が出て「煮詰まる」こともしばしばです。
そのあたりがむつかしさでしょうか。
講師は、作業が完全ストップして「進化」が止まらぬように、そして、一定の「品質」が確保できるように、適宜、ご指導させて頂いています。
Oさんの、マスターコースの以前の課題の完成作品です。
見事ですね。
<家具マスターコース、大分県由布市、男性>
Mさん、アリ組みの墨付けをされています。
基準面を意識して、ケビキで墨付けし、そこを起点として、角度をつけた墨を入れています。
マスターコースは基準面がより大切になっていきます。
アリ組接ぎの、一般的な墨付けは、まず、男木を形作った後、それを、なぞって、女木に移すのが一般的なようですが、教室では、男木、女木、共に同時に墨付けし、加工していきます。
理由は、男木の形状を女木に移すのは、「それはいつでもできるかな?」と思った次第で、両方、墨付けのほうがむつかしくなりますが、そちらの方が、のちのち応用が利きます。
こちらは、Mさんの前の課題の画像です。こちらも、品質高くバッチリです。
<家具マスターコース、福岡県直方市、男性>
手加工でしか作れない!
留め型隠しアリ組み接ぎの練習をされています。
画像の左側に、接ぎ手の男木が見えていますが、上手に加工されています。
完成すると下画像のようになります。接ぎ手が外からは見えません。
この接ぎ手は、強度が大きく見栄えも良いため、とても優れていると思うのですが、いかんせん、手加工でしか作れませんから、作るのに時間がかかります。
だから、量産品で使うのは無理ですし、家具工房も、加工に時間がかかるため、収支があわず一般的ではありません。
以前、使っているのを画像で見たのは、高級桐だんすの、家具本体の上部の左右のコーナー(天板と側板の接合部)、
それと、確か、1級家具技能士の試験課題。
そんなこんなで、あまりお目にかからず。
Hさんの前の課題の画像です。
この接ぎ手は、Hさんが今練習されている、留め型隠しアリ組み接ぎの難易度が高いため、前ステップとして考案したオリジナルの隠しの接ぎ手です。
Hさん、ピターっと接合できています。
<家具マスターコース、福岡県福岡市、男性>
なんでマスターコースに進むの?
家具基礎コースは、基本的な技術を、幅広く腹いっぱい詰め込んでいるつもりです。
だから、教室の方には、
マスターコースに進まずとも、基礎コースの技術と、スポット的なプラスアルファの技術でほとんどの家具つくれますよ~!
とお話しており、実際、教室では、マスターコースに進まず、さまざまなオリジナル作品を作ることができています。
ではなんでマスターコースに進むの??
その意味合いのひとつは、手加工のスキルが向上することでしょう。
マスターコースの接ぎ手のカリキュラムでは、練習→課題、そして次の接ぎ手の練習→課題、…、を繰り返していきます。
練習では、ある程度の品質が得られないかぎり、本番の課題にいけませんので、練習を何度やってもうまく行かなければ、悶々とすることもあります。
そのようななかで、ノコ、ノミ、カンナ、シラガキ、ケビキ、スコヤの6つの基本的な道具のスキルが向上し、墨付け精度の向上、不具合の見極めなどが向上します。
もうひとつのマスターコースに進む理由は、単に「やってみたい!」
受講生の方がおっしゃいます。見本のアリ接ぎを見て、「あ~、これか~」「やってみたい!」
テレビかネットなどで、ご覧になられたのだと思います。シンプルな理由ですね。
マスターコースの開講の際、お手本が無いなか、カリキュラムや接ぎ手の墨付け方法などの、お教えする内容検討にとても苦労しました。
このような内容を、自分でやろうと思ってもなかなか「とっつきにくい」、また、なかなか「教えてもらうところがない」のも事実かもしれません。
今からワクワク
墨付け途中です。結構な大作ができそうです。今からワクワク!
難易度がとても高いところがあり、私がお手伝いする予定なのですが、この先の、木の反りが心配。
ですが、何とか致します。
<自由コース、北九州市、女性>
アト、ちょっと!
TVボードの引き出しの組立前にカンナで仕上げをされています。Kさん、カンナ削りはもう慣れたもの。
TV本体はすでにできておりますので、あとチョットかな!
<自由コース、北九州市、女性>
木ネジ接合
基礎コースの途中です。
教室の家具は、構造部以外に、補助的に木ネジをつかいますので、その練習をしています。DIYにもつながるようにと考慮しています。
<家具基礎コース、山口県宇部市、男性>
今日が初日の方で、カンナの使い方の練習をされています。
画像のシーンは、広い面を削るための練習、それと、3種類の硬さの違う木を削る練習をされています。
硬い木を削るためには、カンナに体重が載らないとうまく削れません。力で押して体重を載せるのではなく、体を使って体重を載せます。そのためには、おのずと腰と脇を使う…。
但し、あまり考え過ぎると良くないようで、むしろ、お手本の講師の削りをイメージした方が早いかも!
<家具基礎コース、北九州市、男性>