カンナ刃(鉋刃)の裏切れ

カンナ刃は研ぎを重ねると使えなくなる、何で?( 裏切れ)

木工教室ブログ:2021/1/22

ご興味の無い方、申し訳ございません。

今日は、カンナのお話その②です。


刃は研ぎ続けると、どうなるのか?

研ぎ続けたカンナの刃

前回、ご紹介した写真、

右の刃を研ぎ続けると、刃は短くなって、左の刃になる!ですね。

(前回「カンナ!にまつわるお話、その①」)


でも、単に研ぎ続けるだけで、左にはなりません。

では、どうなるのでしょう?


裏切れ

カンナの刃の裏

日常の刃の研ぎを繰り返すと、上写真の刃先の赤い部分がなくなり、下写真のようになります。


カンナの刃の裏切れ

刃先の中央部分の、刃が研ぎあがった光沢部分が無くなっています。

別の刃で例では、下写真のようになります。
カンナの刃の裏切れ

上写真2枚は、刃の裏ですが、

ひっくり返して、刃の表から見ると下のイラストのようになっています。


青色の部分は、わかりやすいように色を入れていますが、実際は何もないです。

おおよそ、「こんな感じ」と思っていただければと幸いです。


一般的には、これを「裏切れ」と言っています。


カンナの刃の裏切れ

これで木を削った場合、理屈としては、左右から普通の屑が出て、真ん中辺りは削れない!ですが、

実際に削ると、チリチリの屑が出て、削るのがやたらと重い。


ということは、こうなる前に、メンテナンスが必要になります。

じゃ~、メンテナンス(裏が切れたら)は、どうすればいいのでしょう?


裏打ち

カンナの刃の裏打ち

メンテンナンスの方法ですが、

結論から言いますと、「刃の表側を叩き、金属を伸ばして、裏側へ突き出させる」です。

「裏打ち」といいますが、写真は刃を叩いた跡です。

詳しいお話は、後日に致します。


通常の裏打ちは、慎重さが求められ慣れが必要ですが、

私の裏打ちの方法は独自の方法で、作業が早いです


とうことで、

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刃は、日常の研ぎを続けると、

裏が切れ(裏切れする)、メンテンスで裏打ちが必要になる

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今日は、ここだけ理解して頂ければと思います。



話は変わりますが、なんで、刃の裏は凹んでいるのでしょう。

実は、さしみ包丁(柳刃包丁)、でば包丁もそうなっています。

「裏透き」(うらすき)と言います

その辺のお話も含めて次回へと!




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