カンナ(鉋)を使い込む

カンナは使い込んだらどうなる?

木工教室ブログ:2021/1/8

ご興味の無い方、すいません。

ブログでは、折々、カンナにまるわるお話を、ご紹介していきたいと思います。


教室でできた作品は、クオリティーが高いですが、実は、半分は「カンナ」を「正しく使う」ことでそれが実現されています。

今回「使い方」ではなく、「カンナ」という道具にまつわるお話です。



木工教室で使っている6本のカンナ

教室では、主に6本の同じ種類のカンナを、使って頂いています。


カンナは、使い込んだらどうなる?

使い込んだ刃と新しいカンナの刃

左が、6本の内の一本の教室のカンナの刃で、右が同種類の新品の刃です

左は、日常の研ぎのために、結構、短くなっていますね。

カンナの刃の比較

単に短くなるだけでなく、矢印で示した刃の幅も、広がっていきます。

(ご参考)

理由は、刃先側より、上側の方が幅が広く、研ぎが進んで短くなればなるほど、刃幅は広がります。

実は厚みも、刃先側より上側の方が厚く、研ぎが進んで短くなればなるほど、刃先の厚みは厚くなります。


カンナの台の比較

そして、木の台はというと、左が上の教室で使っているもので、右が新品の方の台です。

左の方が、厚さが薄いです。


カンナの台は、木に当てて削る下側の面を、適宜、メンテナンスで削りますので、薄くなっていきます。

カンナの台は、常に同じカタチをしているわけではありません。

季節の湿度・温度変化のために変形し、また、刃の中央部が最も使われますので、木の台の真ん中付近が凹んできます。

そんなことをほったらかしておくと、刃は出てるけど削れない??などのさまざまな不都合が出てきます。

そのため、メンテナンスで適宜、削って調整します。

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ということで、

カンナはメンテナンスを続けると、刃は短くなり、

刃幅は広くなり、カンナの台の厚みは薄くなります。

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今日は、ここだけ、ご理解頂ければ、大丈夫です。



メリットが大きい

曲面のためのカンナ

曲面用のカンナたちです。

椅子の座面の凹み部分の削りなどに使います。

写真のなかの半分は、通常のカンナを改造したもので、必要な都度、改造して追加しました



過去に、凹みの削りを、いろんな方法で加工してきました。

座繰りカッター、グラインダー、サンダー、ルーター、マルノコの刃の上で材料を回転させるなど、…。


でも、

私の今の結論は、仕上げ部分では、「カンナが最も早くてキレイ!」


私は、道具マニアでもなく、狂信的に入れ込むその信者ではありません。

「いかに早くできるか、いかにキレイに仕上げるか」それだけが目的で、いつも、その方法と道具を模索しています。

でも結局、一周回って、元に戻って、カンナでした。



企業ではなく、一品一品作る個人レベルでは、使える機械・道工具は限られており、そのなかでカンナのメリットは大きいようです。


クオリティー求めるならば、なおさらのこととなり、「正しく使う」ことで初めて実現できます。

実は、「正しく使う」は、理解していると思っているようで、そうでないことが多いのも事実です。







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