女性の方がカンナで削られています。お二人ともやや小柄。
カンナのサイズは、一般的に、本職の男性が使う一番大きいカンナ「寸六(スンロク)」というサイズ。
お二人とも、
家具基礎コースを修了された方で、「
正しいカンナの削り方」を身につけられているとはいうものの、
大きなカンナで、じょうず~♪に削られています。
カンナに体重がうまく乗らない場合、ドッドッドッっとあばれてエンストしたみたいになるため、木工教室の机の高さは、カンナ削りで体重が乗せやすいようにと、やや低い。でも、女性の
小柄な方は、やはり体格的に不利なのですが、…。
写真の左のカンナは、木工教室の標準のカンナで、平面削りから、木端・木口削り、目違い払い、面取り、などと、これ1本あれば、作業のほとんどカバーできます。(実は、このカンナを1本、持っていれば、ほとんど大丈夫!)
そして、右が寸六サイズで、ふた回り大きい。
削りの最終段階になると、上の写真のように、逆目ぼれ(木のめくれ)を抑えるための木屑は、ストレートではなくヨジリヨジリで、削るのが結構重い。でも、
体力的に不利な女性でも、ちゃんと削れるんですね。
ムカシ、「常識の中に求めるものは無い」などと思っていた、横着な私ですが、やはり、
寸六カンナが男子、寸四(すんし)が女子などと、どこかで聞いた情報が、頭のなかで固まちゃうと良くないですね。
アマチュアの女性の方で、寸六のカンナでキレイに仕上げるのは、正しい削り方をマスターしていても、カンナのセッティング次第ではやはりムツカシイと思います。
今回、以下の2点が、通常のカンナのセッティングと異なります。
- カンナ刃の刃先の角度が小さい
-
- 刃先の角度は、ざっくり、柔らかい針葉樹25度、硬い広葉樹30度と言われています。木工教室で使うカンナは、27~32度のセッティングです。角度が大きい方が、逆目ぼれが止まりやすくなりますが、カンナで引くのが重くなります。上の写真の木は広葉樹なのですが、今回の寸六カンナの刃先の角度は27度で
角度は小さめでカンナで引くのがやや軽いです。
- 刃の研ぎ加減
- 刃先を研いで切れ味を増した方が、逆目ぼれは出にくくなり、カンナで引くのは軽くなります。但し、切れ味を出すほど研ぐのに時間がかかります。私は、必要最小限にしか研ぎませんが、上の写真の寸六カンナは、いつもより刃を研いで、カンナを引くのが、幾分軽いです。
ここから先は、前のお話から離れて、カンナ調整のコツのお話です。木工教室の皆様方はわかると思います。
広い面を削るとき、わずかなカンナの
調整のズレが、カンナ削り(仕上げ)に余計に時間がかかったり、もしくは、その後のサンディング作業に
大きな手間をかけてしまいます。
広い面を削るとき、以下の2点の調整は、
家具基礎コースで削っていた時よりも、慎重に、慎重に調整デス。但し、一旦、身に付くと、そう時間はかかりません。
- 裏金の詰め加減
- 裏金をしっかり詰めると逆目ぼれは出にくくなりますが、カンナを引くのが重くなります。家具基礎コースでは、髪の毛1本程度を実践していますが、ちなみに、髪の毛1本と3本では、逆目の止まり加減はかなり違います。 木の逆目の出やすさは、木によってそれぞれですので、削ろうとしている木に対して、最低必要な、裏金の詰め加減を探します。ベストポジションは結構微妙で、カンナ削りの最終段階では、特に慎重に!
- 刃の出具合の調整(木のくずの厚さの調整)
- くずが厚すぎると逆目が出やすくなります。そして、逆目を抑える場合の削りは、勢いで削るのではなく、ゆっくり削る必要がありますので、くずが厚いと削るのが重くて辛いです。ちょうどいい刃の出具合のベストポイントを探します。これも、結構微妙!。
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