天板(甲板)の矧ぎ

矧ぎ合わせ(はぎあわせ)? しっぺ返し?

木工教室ブログ:2021/7/3

今日、「コロナ前の人数に戻りつつありますね。」

と受講生の方が仰っていました。

そういえばここ最近、

久方のご対面で、「お久しぶりです♪」のお声が増えてきました。




今日は、受講生の方の「矧ぎ」のシーンからです。


「矧ぎ=矧ぎ合わせ」とは、広い板にするため、板と板を幅方向に接着することです。

机の甲板の矧ぎ

Iさん、お孫さんの学習机の天板(甲板)の矧ぎをされています。



自動カンナ盤による加工

家具機械コースも修了されていますので、

ご自分で、製材から行います。

Iさん、機械でいくつも作品を作られていますので、もう慣れたもの。



矧ぎの作業、接着剤塗布

接着剤を塗布しています。

接着剤は、2液混合型の強力なもので、防水性もあります。


接着面には、ビスケットなどのジョイント(接合材)はありません。

板と板をドーンとくっつけるだけです。

芋接ぎ、平接ぎ、などと言われているようです。






ジョイントが無い?

ど~んと、くっつける?

な~んだ、簡単じゃないか!

と言われそうですが、

実は、正しく理解し、正しく作業をしないと、

とんでもないしっぺ返しを食らいます。

しかも、ここ数年ではなく、5年後、10年後に。



過去2回、お客様の椅子の座面板を修理したことがあります。

いずれも、矧ぎ合わせた矧ぎ面の接着が不十分で、分断したものです。

そして、いずれも、ご購入されてして5年以上は経過しているものだと思います

椅子の座面は、繰り返し繰り返し体重がドン!と載って、過酷なのです。


そして、正しい矧ぎは、思っているより、かなり高度な技術が要求されます。




工房の椅子

上の画像は、工房の1Fで私が座っている椅子です。

テカっていますが、撮影のために磨いてテカっているわけでなく、

使い古しによるツヤです。

製作から約10年、ほぼ毎日私に座られています。

ギョッ!



この椅子の座面の板も、上と同じ方法による矧ぎです。

いつも、私から乱暴に座られていますが、ビクともしません。


すいません。

自画自賛で終わってしまいました。



<山口県宇部市、男性>





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