今日、「コロナ前の人数に戻りつつありますね。」
と受講生の方が仰っていました。
そういえばここ最近、
久方のご対面で、「お久しぶりです♪」のお声が増えてきました。
今日は、受講生の方の「矧ぎ」のシーンからです。
「矧ぎ=矧ぎ合わせ」とは、広い板にするため、板と板を幅方向に接着することです。
Iさん、お孫さんの学習机の天板(甲板)の矧ぎをされています。
家具機械コースも修了されていますので、
ご自分で、製材から行います。
Iさん、機械でいくつも作品を作られていますので、もう慣れたもの。
接着剤を塗布しています。
接着剤は、2液混合型の強力なもので、防水性もあります。
接着面には、ビスケットなどのジョイント(接合材)はありません。
板と板をドーンとくっつけるだけです。
芋接ぎ、平接ぎ、などと言われているようです。
ジョイントが無い?
ど~んと、くっつける?
な~んだ、簡単じゃないか!
と言われそうですが、
実は、正しく理解し、正しく作業をしないと、
とんでもないしっぺ返しを食らいます。
しかも、ここ数年ではなく、5年後、10年後に。
過去2回、お客様の椅子の座面板を修理したことがあります。
いずれも、矧ぎ合わせた矧ぎ面の接着が不十分で、分断したものです。
そして、いずれも、ご購入されてして5年以上は経過しているものだと思います
椅子の座面は、繰り返し繰り返し体重がドン!と載って、過酷なのです。
そして、正しい矧ぎは、思っているより、かなり高度な技術が要求されます。
上の画像は、工房の1Fで私が座っている椅子です。
テカっていますが、撮影のために磨いてテカっているわけでなく、
使い古しによるツヤです。
製作から約10年、ほぼ毎日私に座られています。
ギョッ!
この椅子の座面の板も、上と同じ方法による矧ぎです。
いつも、私から乱暴に座られていますが、ビクともしません。
すいません。
自画自賛で終わってしまいました。
<山口県宇部市、男性>