昨日、ようやく確定申告を提出しました。
ほっとしたのも束の間、気づけば日々に追いかけられて…、本当は、こちらが追いかけたいのに…
そんな春の始まり。
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先日完成した、Sさんの作品をご紹介します。
素敵なローチェアですね。
ぱっと見は「あぐら椅子かな?」と思うほど座面が広いのですが、
しっかり脚があって、ほどよい高さの ローチェア に分類されるのでしょうか。
床に近い位置でゆったり座れる、なんとも心地よい佇まいです。
Sさんが、ご自宅でクッションを置いた写真を送ってくださいました。
ありがとうございます。
フローリングの木質感とよく馴染んでいて、とても素敵。
暮らしの中にすっと溶け込んでいますね。
斜め後ろから見ると、フォルムの美しさがより際立ちます。
背もたれの角度や脚の傾きなど、座り心地を左右するポイントが多く、
実は作るのがなかなか難しい部分です。
でも、その難しさがまた楽しいところでもあります。
今回いちばんの難所が、この三角形の接合。
斜めの手加工は、角度がひとつでもズレると隙間が出てしまう繊細な作業で、
反対側にも影響が出るため、調整がとても大変です。
それだけに、今回の仕上がりは本当に気持ちいいほどきれい。
見ていて嬉しくなります。
板を外すと、こんなふうにすっきりした構造が見えてきます。
作り手だけが知っている“裏側の美しさ”でしょうか。ワクワクします。
四角いフレームは力が加わるとひし形に変形しようとします。
その動きを抑えてくれるのが隅木。
角に三角の補強を入れることで、ねじれや歪みを防ぎ、
組み立て時の直角も保ってくれる頼もしい存在です。
長く使っても緩みにくい、丈夫な椅子になります。
背もたれのレッドオーク、木目が本当にきれい。
どの木でもそうなのですが、光の当たり方で表情が変わるのも魅力です。
胴付きが傾斜した、少し変わった二段ホゾ。
こういう加工をいくつも積み重ねながら、
刃物の感覚を頼りに形を整えていく時間は、
やっぱり楽しいものですね。
手の感覚が作品の精度をつくっていく——そんな瞬間が詰まっています。
Sさん、思いどおりの一脚になったでしょうか。
素敵な作品が生まれて、私もとても嬉しい気持ちです。
<北九州市、男性>