iFデザインアワードの最終審査用の実物サンプルをマイナーチェンジをしていますが、まだ制作中。
サンプルが完成したら、撮影、提出資料作成、インボイスの準備…、そして、ドイツへの発送予定が 1/7。
思い立ったのが9月。そこからず~っと綱渡り。
試行錯誤と「わからない」の解消の連続です。
前にも書きました。
路頭に迷う子羊がごとく…、いえ、ネズミがごとく、小さく震えながら…。
あと少し♪
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さて、今日は、先日完成した、大型カップボード(食器棚)のご紹介です。
仕上がりは美しく、木が本来持つ表情がよく引き出されています。
制作者のKさんは制作途中に転勤があり、
一時中断を挟みながらも、こちらに戻られて見事に完成までたどり着かれました。
私も完成した姿を見て、感無量。
引出しは2杯。
そして、教室で定番になってきた包みアリ組接ぎで丁寧に作られています
上扉を開けたところ。
下扉を開けたところ。
天板の飾りは、緩やかなカーブがシンプルで美しい表情を作っています。
そして、このカップボードで最も印象的なのがオリジナルの取っ手です。
一般的に、このような箱物は構造上どうしても形が似通いやすく、個性があまり出てきません。
箱物は、収納という機能を満たすため、基本形は箱型になり、その箱の組み合わせが食器棚や本棚、チェストなどへと発展していきます。
そのため、椅子などと比べると設計の自由度は小さく、「その人らしさ」が表れにくいです。
今回の作品は、全体として緩やかな曲線をベースとした個性がにじんでいますが、特にこの取っ手はアクセントとなり、
その人らしさが垣間見えます。
上扉の取っ手

下扉の取っ手
自然体で手を動かし物を作っていると、その人の本来の感性が作品に滲み出てきます。
迷い、ためらい、決断を繰り返しながら作業を進めていきます。
できあがったものは、やがて、その人自身を静かに映し出すようになってきます。
この取っ手の佇まいには、Kさんがもともとお持ちのやさしさや美しさが、そっとにじんでいるように感じました。
棚板は可動式で、位置変更ができるようになっています。
ゴールドの蝶番はチェリーとよく調和しています。
扉を磁石で受け止めるキャッチ。
設計は、A3方眼紙にビッシリ、抜かりなく、正確に記載されています。
脚4本です。
本体の両サイドの板です。
この板を、前後脚の2本の間に挟み、側面にします。
メープルモデューロのオリジナルの構造です。
板組み構造では、通常、脚4本を本体から出す事は出来ません。この構造だと、板組みのシンプルな構造のメリットを活かすと同時に、板組みの構造から脚4本を出すことが出来ます。
引き出し2杯を支える、棚口と受け桟です。
ある部分のホゾは接着剤を入れず、可動できるようになっています
脚の飾り部分の接着です。
下写真が、完成後です。
仮組み中。
扉取付中。
蝶番取り付け。
棚ダボ取り付け中。
たくさん、カンナもかけられました。
今、Kさん、ミニデスクを作られていますが、
私がアドバイスすることはあまりありません。もう、かなりの実力を付けられておられるようです。
今回、こんな素敵な、オンリーワンのカップボードが完成し、本当に良かったです。
ご自宅に設置された写真を見せて頂きましたが、素敵な食器がた~くさん、並んでいました。
自分で作った食器棚に、自分の好きな器を並べる。何よりの贅沢ですね。
Kさん、本当にお疲れさまでした。
<福岡市、女性>