今日は、Sさんの3段チェストのご紹介です。
このような作品を、小抽斗(こひきだし)と言われることもあります。
引き出しの中の大きさは、A4を横にして余裕で入るくらいです。
曲面があると、な~んか、やさしく、麗しい(うるわしい)ですね。
上から見ると、こんな感じで本体の前面が大きな曲面になっています。
樹種はレッドオークです。
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昔、家具の勉強のために、ヨーロッパアンティーク家具をさんざん見て周りましたが、オークはイギリス、フランス、ドイツなどのアンティーク家具によく使われていました。
もちろん高級材で、硬くて耐久性が高いです。
オークは日本の「ナラ」に該当します。オークに比べ色見がやや明るい感じはしますが、大まか同じです。
また、ホワイトオークというのがありますが、こちらも大まか同じです。同じというのは主観です (^^
木工の友人のお話によると、ホワイトオークに比べ、レッドオークは臭いがキツイようです。私は、慢性鼻炎で鼻があまり効きませんが確かに少し臭います。
私の工房では今、レッドオークも、タモ、チェリー、メープルなどと同じよう在庫化していますので、受講生の方でレッドオークの作品を作りたい方は、ご遠慮なくお申し付けください。
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コーナーの接ぎ手は、定番の組み接ぎ。
但し、単調な並びではなく、変化を加えて。
並びを見ていると、何だか、楽しい♪
引き出しは、吊り引き出し。
それぞれの引き出しのサイドには溝が見えますが、
本体には横棒を付けており、その横棒の上を引き出しがスライドします(出し入れします)
吊り引き出しは、出し入れが軽く軽快なのですが、
軽く軽快なのは、引き出しの溝と本体の横棒との接触面積が小さく、摩擦が小さくなるためです。
逆をいえば、摩耗によりすり減りやすいとも言えます。
吊り引き出しを作る場合は、引き出しがのっかる部分の面積を小さくしすぎないようにします。
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そして上写真で、引出しの前板と側板の接合部が見えますが、
その接合は「包みアリ組接ぎ」
教室では、もう定番になりつつあります。
経年でも劣化しにくい接ぎ手です。
Sさん、初めてのチャレンジでしたがなかなかです。
つまみは手作りで、カチーっとした円柱ではなく、ゆる~く、ファジーな円柱。
写真ではわかりにくいですが、これだけで、作品に温かみが加わります。
左の矢印のところに、通しホゾを使われています。
量産家具では使わない接ぎ手です。
また、中央に黒檀の割りくさびを入れられています。
Sさん、ハンドメイドを意識されています。
また左の矢印の所にも、黒檀の細い棒を入れられています。
ちょっとしたアクセントですね。
作業風景
Sさん、胴付きノコで切断中。
「四方胴付き2枚ホゾ接ぎ」と言われる接ぎ手です。
本体の仮組み中です。
本体の内側に直角定規(スコヤ)が見えますが、Sさん、直角確認もされています。
箱物は特に直角が大事ですね。
笑い話ではありませんが、本体が斜めになっていると、中に入れる引出しもみ~んなご一緒に斜め (^^) にする必要が出てきます。
引出しは、本体の引き出し入口よりやや大きめに作り、カンナで削って本体に合わせるのですが、本体が斜めになっていると、引き出しを削る手間が増えるだけでなく、場合によっては、ゆるいパカパカの引出しになります。
引き出しはパカパカになると、引き出すとき左右にぶれて使いづらいです。
Sさん、新しい技術がたくさんで大変だったと存じます。
結果的に、とても素敵に出来て良かったです。
<北九州市、男性>