Woodworking lessons across borders.Netherlands Sweden Singapore Kanna saw chisel

オランダ、スウェーデン、シンガポールから!国境超えたレッスン

木工教室ブログ:2024/12/24

秋口にカナダからお客様が長期にいらっしゃった後、

11月と12月に、オランダからお一人、スウェーデンからお二人、シンガポールの方がお一人、いらっっしゃいました。

皆さん、日本の木工に興味を持たれていて、レッスンをさせて頂いた。
また、私があまり英語を話せないため翻訳機を使うことが前提でお越し頂いています。

オランダから本職の方が

Customer from the Netherlands

Kさん、身長196cm、私は見上げて話します。
高身長国のオランダのなかでもさらに背が高く、そのせいか、昔サッカーのディフェンスだったらしい。

Wood joint processing practice task

素晴らしく上手です。

実は本職の方。 Kさんは大学1年で中退し、木工の学校に2年間通い、その後さらに2年間学校で助手されながら木工技術を磨かれたとのこと。

ホゾの手加工の技術は、一応学校で実践されたとのことでした。
そのためか、当初ノコとノミのスキルはイマイチでしたが、アッという間にレベルアップされました。

上の課題には、下の二つの接ぎ手が使われています。

Double Mortise and Tenon Joint Half Lap Joint

現在Kさん、主に商業系施設にキャビネットなどの箱物家具を納品されていることが多いそうです。

使用する材料は、積層合板で、簡単に言えば、日本のホームセンターで販売されているコンパネ(通称ベニア)の両面に化粧板を貼ったものです。日本の量産家具やイケヤの家具のような、中が空洞の材料(フラッシュ構造)とは異なります。


何故、オランダから日本へ来た?

ちょっと専門的になります。教室にいらっしゃている方はわかると思いますが、ご興味のない方はスット飛ばして!

Kさんは、木と木とを接合するとき、ドミノジョイントと呼ばれるジョイントを使われています。
ドミノジョイントとは下写真になります。
Domino Joint FESTOOLDomino Joint FESTOOL Domino Joint FESTOOL

ドミノジョイントはドイツのフェスツールが開発したもので、ホゾの代用ができます。

私は、15年くらい前でしょうか、木工の友人から、「こんなのがある」とお聞きしたのが最初でした。
スゴイな~と思いました。

Kさんはこれを使っているわけですが、彼からお聞きしたのは、
このジョイントは、時を経て、胴付きが空く(外から見える部分の、木と木の接触面に隙間ができる)
ちょっと、驚きでした。

20年くらい経過したこのジョイントに隙間ができているのを幾つも見たらしいです。
やはり、伝統的技法の、ホゾ組み、板組みの方が優れている!
と思われ、技術を学びに私のところへお越し頂いたとのことでした。

何故、ドミノジョイントが経年で胴付きに隙間ができやすいか?ですが、
Kさんの説明では、伝統的なホゾ接合などに対して内部に隙間が多い。
たぶん、接合の強度が接着剤に依存する部分が多く、接着剤の収縮と接着剤の経年劣化が進めば、接合の強度が小さくなり胴付きが空く、でしょうか。

私自身は、それとは別の理由があると思っているのですが、アワワアワワの英語で上手く説明できなかった。

これと同じような接合に、ビスケットジョイント(ラメロ社開発)がありますが、似たような特徴があると思われます。

以上、Kさんと私のお話ですが、この件に関して、統計的な調査や強度試験をしていないため、一事象に対する一見解としてとらえて頂ければと思います。


アリ接ぎ

Through Dovetail Miter Joint

Through Dovetail Miter Joint

Through Dovetail Miter Joint

アリ接ぎは、初めてだとことでしたが、実は、これはとても良くできています。

1か所、線の右を切るべきところを線の左を切ってしまった、また、部分的にノミによる欠けが出た、の不具合がありますが、

これは、繰り返し練習してスキルを上げるというより、意識するだけですぐに治ります。その意味では、墨付けとノコとノミのスキルはもう十分です。

基本的なことはすべてクリアされています。


レッスンでは、事前に幾つかのポイントを意識して練習して頂き、それから本番でしたが、
この課題は最終日の課題で、私は「時間が足りるか?」が心配でしたが、要領をつかまれるのが早く、予想の1時間前に終わりました。

あっぱれでした。さすがです!

Customer from the Netherlands

目が真剣です。

最後は2人ともヘトヘト

curriculum

延べ4日間のマンツーマンレッスンでしたが、「私のご提案」と「Kさんのご希望」を腹いっぱい詰め込んだカリキュラムです。

カンナの各種削り方、調整、刃の研ぎ。ノコ・ノミのスキル向上。ホゾ接ぎ・アリ組み接ぎの実践。
もともとハードなスケジュールで、最後は2人ともヘトヘトになってしまいました。

彼とは、始終一緒に居ました。ほんとにたくさんの話をしました。木工の話から、たわいもない話まで。
ロシア↔ウクライナでガソリン代は倍になり、その他物価高が半端ない。Kさん古いディーゼル車に乗っていて、アムステルダムは2030年からガソリン車・ディーゼル車が走れず、古いディーゼル車に限っては2年後には乗れなくなり彼はアムステルテルダムを出る。第二次世界対戦中、オランダ領のインドネシアが日本によって植民地化された(大東亜共栄圏)。そのほかたくさんの話。

彼は、私を気遣って簡単な英語で話してくれました。
また、グーグル翻訳を使いながらの会話でしたので、もどかしかったに違いありません。

私は、木工に限らず彼からたくさんのことを学びました。
感謝しかありません。


スウェーデンから

Customer from Sweden

カンナの刃と裏金の刃の調整の練習です。

スウェーデンからお二人のお客様がいらっしゃいました。
2日間、一定のカリキュラムに沿って、マンツーマンレッスンをさせて頂きました。

右の J さんの身長は186cmで高身長。左の女性のAさんおっしゃるに、
日本に約ひと月いるが、人混みのなかで J さん探すの楽勝。

Aさんは出版社勤務で、Jさんは心理学者。お二人とも木工とは関係ありませんが、スウェーデンでは、木の家のセルフビルトやそのメンテナンスなどでDIYはかなり盛んらしい。ご両親の家や親戚の家の写真を見せて頂いたが、家の高さが低く横に広い。その家もセルフビルトで、たくさん手伝ったそうです。日常生活の中で木と馴染みが深いとのことです。

Customer from Sweden

こちらは、ノコの練習中。

お二人から、たくさんのお話を伺いました。
興味深かったのは、スウェーデン人と日本人の類似性。シンプルな生活スタイル、礼儀、自然との共存、…。
但し、スウェーデンは白夜などの特殊な日照のため、精神的異常の方が多いらしい。

おもしろかった話は、お二人とも山登りがご趣味で、北アルプスの穂高(3190m)に登られたとのこと。山小屋で一泊された際、朝食に卵が出てきたそうで、隣のオーストラリア人がその卵を軽快にテーブル叩いて、生たまごがあたりに散乱したらしい。どうやら「ゆで卵」と思っていたらしい。周りの登山客は大笑い!生でたまごを食べる習慣がない国の人にありそうな話です。
私もたまたまその山に登ったことがあるのですが、頂上からの写真を拝見すると、恐ろしく晴れ渡りあり得ないパロラマだった。私は今までそのようなパノラマはどこに行っても見たことがありません。とっても幸運な方たちです。

その他、昔世界を席巻したスウェーデンのABBA、また、フロイト、ユング…。私は、いろいろな話に対して英語でうまく思いを伝えられないのがもどかしかった。

私のレッスンのあと、屋久島に行かれるそうですが、私は屋久島で、気がつかないうちにたくさんのヒルがカッパの中に入り、血!吸われた、とお伝えすると、空気が一変。ありゃ…。

たくさんのお話ありがとうございました。また、一部、私の説明不足で最後の組み立てにうまくいかなかったところがありましたが、大きな心で受け止めて頂きありがとうございます。


シンガポールから

Customer from Singapore

約5時間のレッスンでした。

カンナを使って作品を一つとフルーツフォークを二つ作られました。

Wooden fruit fork
すいません、写真撮り忘れました。これと同じのを二つ作られました。


実はTさん、東京に約1年住んでいて日本語が結構話せる方。
迷わず日本語でご対応させて頂きました。

シンガポールのお話をたくさんお聞かせいただいた。
人種がさまざまで、中華系、マレー系…、多民族文化で多様性の国のお話。リー・クワンユーのお話。

また、東京から福岡に来ると、街ゆく人の声が大きく賑やか、と仰っていた。
私は、「日本は南の方がラテン気質かも?」とお伝えした。

Tさん、フリーランスのWEBデザイナーの方で、いろいろ教えて頂きました。

私は、外国の方向けのレッスンを募集しているページを作っていないのですが、
はて、皆さん、どこを見て私の所にいらっしゃっているのか?
いつも不思議に思っていました。

そして、いらっしゃる方には、どうやって私にたどり着いたか、何で検索したかお訪ねしているのですが、大よそ皆さん忘れられています。

なので、Tさんにお尋ねしました。
そして、たぶんこうであろうという、実際の検索シーンを見せて頂いた。
わかったのは、外国の方が日本のWEB、地図やSNSを見るとき、自動翻訳を有効活用されている、でした。

私は、今後、外国の方向けに、レッスン募集をするか否かわかりませんが、
Tさんからは後日、外国人向けレッスンの募集ページの、WEBデザインのひな形をいくつか送って頂いた。

Tさん、ほんとにいろいろありがとうございました。

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ヨーロッパからの日本観光の黄金ルートは、東京、富士山、京都、そして南方面はせいぜい広島の原爆資料館と厳島までが一般的です。北九州の私のところを訪れる方は、明らかに明確な意思を持って来られています。それは、木工の体験程度のことを期待するのではなく、より深いところの Made in Japan のなかでの木工スキル自体に興味を寄せられています。

彼らはいろいろなご負担があるにもかかわらず、はるばる北九州にいらっしゃっているのですから、ご期待を超えてご満足して頂かねばと!と思いました。




◆木の家具工房「メープルモデューロ」
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