今日は、先日完成した、スツールのご紹介です。
カッコイイ!
実はMさん、ある写真にインスパイアされ、作品制作の運びとなりましたが、
最終的には、とっても素敵な作品になりました。
木のX型のスツール(背もたれの無い椅子)は、いろいろなメーカーで販売されているのですが、
教室の受講生の方は、企業や家具工房の方ではありませんので、
いざ、それを自ら制作するとなると、やはり、「はい、サクッと出来ました!」とはいきません
上手く折りたためるかな?
座って潰れないかな? ぐらつかないかな?
革張りの革、どうしよう?
そして、
脚の太さどれくらいにしたらいい?
見た目を美しくするには?
不確定なことがたくさんです。
それで、試作をされました。
当教室アルアルです。
試作では、あれこれと検討することが尽きません。
楽しくもあり、苦しくもあり。
そのご苦労は、作者のみ知るでしょうか?
この折り畳みの部分は、私の以前の作品を参考にされました。
適切なボルトナットの大きさ選び、そして、ネジが緩まないようにする
がポイントでしょうか。
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<ご参考>
ボルトナットは「
M6:直径6mm、メートルネジ」のステンレス性を使用しています。
ナットは通常のナットではなく「
Uナット」を使用しています。
Uナットは板ばねが内蔵されておりネジ山を押しつけ緩みを抑える効果があります。
また、ボルトとナットの間に「
瞬間接着剤」を使用することで緩み止め効果はさらに大きくなります。
脚がX型にクロスしている部分ですが、折り畳みにより、木と木が擦れ合って木が痩せていくため、
木と木の間に、(
1mm厚さのワッシャー)を入れています。
上記は、いろいろな場面の回転部分で使用できます。
ご参考になればと存じます。
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こちらは、革の座面。
Mさん、革細工の工房にて、オーダーされました。
実は、この裏に「帆布(はんぷ)」が裏張りされているそうです。
裏張り無しに革だけだと、人が座って革が伸びてくるそうで、
それを防止するために、昔は船の帆に使われていた強力な布である「帆布」を裏張りしているそうです。
完成後の写真を送って頂きました。素敵ですね。
Mさん、ありがとうございます。
写真を見て頂きますと、奥側と手前側の椅子で、
Xになっている縦の4本の丸脚の形が微妙に違うのがわかりますのでしょうか。
奥側の4本の脚は直線的で、手前側の脚は凹凸があります。
脚は、カンナで削りだされて丸い形にされていますが、
1脚目をつくられたあと、2脚目は、もっと凹凸を作って、より有機的(↔無機的)にしてみたいとのことでチャレンジされました。
こういう作業をしていると、人はおのずとクリエイティブになり、「思い」があふれてきます。
中央に丸テーブルがありますが、
それは以前、教室で作られた丸テーブルで、こちらも折り畳み式。
全てが折り畳んで収納できるようにされており、省スペース化ですね。
実は、この作品、Mさんの教室での最後の作品となりました。
長い間、ありがとうございました。
今度は、ステンドグラスにチャレンジされそうです。
自由に気楽に、そしてやりたい事に気が向くままに。
素敵ですね。
今後のご活躍、祈念させて頂きます。
Mさんの大きな笑い声が聞けないのは寂しいですが、
またご機会あれば、いつでも「いらしゃいませ」です。
ありがとうございました。
<北九州市、男性>