自分仕様のあぐら椅子

自分の日常に寄り添う「椅子」を作る

木工教室ブログ:2024/4/29

Nさん、先日、自分仕様の椅子が完成しました。


展示室にNさんの椅子を展示しているとき、他の受講生の方から聞かれました。

「あの作品は何?」「どのように座る?」


普通の椅子とは、ちょっと違う…

高さが、普通の椅子よりかなり低く、

また、座面の広さが、1.5倍くらい広い

「実は、あぐら椅子です」



「なるほど~」


ペーパーコードのあぐら椅子

Nさんご自宅では、じゅうたんに座って、ソファーを背もたれ代わりにすることが有るそうで。

いわゆる、和式の座の生活。

そのとき、この作品が便利です。

あぐらをかいて座り、背中は椅子の背もたれに身をゆだねて、ゆったりと。


私は幼いころ、畳間のちゃぶ台でごはんを食べていた記憶があります。

そして今でも、寝るのは、ふとん。

結構、座の生活が染みついています。


他の受講生がおっしゃっていました。

ベッドはあるけど、その横の床で寝ている。

座の生活の方は、結構多い。


そして、Nさん、恰幅が良く、

あぐらをかくとスペースがいる、なので、座面も結構広いです。


まさに、「生活習慣」と「体形」に合わせた自分仕様の椅子です。



曲線部分

曲線部分が2か所あります。

あぐら椅子の曲線部

本体の前方。

あぐら椅子の曲線部

そして、背もたれ。

いずれも、座り心地の向上のためのものです。


シートウィービング(座面編み)


日本で、「座面を編んだ椅子」の歴史は古くはありません。

よく見るようになったのは、20年くらい前か?

座面を紙紐(ペーパーコード)で編んだYチェア(ウェグナーのデザイン)が、日本で見るようになって、

私の恩師の鯛工房の葛城先生が、紙紐座面の編み込み方法をWEB上で公開されてから、

でしょうか。

本場は北欧です。


あぐら椅子

編み込む前の画像です。

ペーパーコードのあぐら椅子

面積が広く大変だったと思います。

面積が広いと、人が座って中央部が沈みやすくなるため、

より強く張り込む必要があります。


Nさん、座編みの経験者で、すでにペーパーコード(紙ひも)をお持ちで、

ご自宅で、空き時間を利用して編まれたのですが、

1日、数周しか編めないこともしばしばだったようです。


あぐら椅子制作中

Nさん、加工中。


あぐら椅子の設計図

Nさん、1級建築士、図面はお手の物。



Nさん、大変、お疲れさまでした。

自分仕様の素敵なあぐら椅子ができて良かった♪

大変お疲れさまでした。


<北九州市、男性>




◆木の家具工房「メープルモデューロ」
Tel:093-342-9165