先日、バトミントンの仲間から言われました。
「はなださんのブログ、昭和の香りがする…」
おっしゃったのが30代の女性。
育った環境には、かなりのギャップがあるに違いない。
今日は、大きな4つの引出しの付いた収納家具のご紹介です。
結構な迫力です。
現物はもっと迫力があります。
Mさん、ご家族のご意向もあり、押入れ収納家具を作られました。
それでその大きさは、押入れに入るサイズで設計されました。
また、材料は、押入れに入れると、外観はほとんど見えませんので、
天板・地板・側板は、それほどコストをかけずにということで、パインの集成材を選ばれ、
逆に、多少、目に入る、引出しの前板については、タモの無垢材を使われました。
そして、どうせなら取っ手は、手作りで。
そして、制作は進み、いよいよ完成の形が見えてくるくらいのとき、
他の受講生の方から、
「えっ、これが押入れ収納?」
「もったいない…。」
「最低限、収納さえできれば!」との思いで作られたチェストですが、
予想を超えて美しく。
先日、作品を、ご自宅に持ち帰られたのですが、
ご親族の方から、やはり、
「押入れに入れるのは勿体ない」
とのことで、只今、置き場所の思案中だそうです。
単なる収納からインテリアへの昇格です。
いいかえれば、「機能」だけから、見せる収納、「美」への転換でしょうか。
絵画や彫刻のような「美術」は、美しさや表現力で評価され、「機能」を求められません。
一方で、家具や陶芸、ガラス工芸などは、使い勝手の良さなど「機能」が求められます。
しかし、そのような工芸においても、ただ機能的であるだけではなく、
見た目の美しさやデザインも大切であることが、Mさんの作品を通じて実感できます。
そして、 教室で作る家具って
空間に「手作り感」や「人肌感」を匂わせたり、
自らの創造で生まれたオンリーワンの家具が、独自の特色や魅力で空間を「個性的」にしてくれたりなど、
生活空間に「彩り」を与えてくれますね。
手作り取っ手
手作り家具では、この手作り取っ手がひとつのポイントです。
取っ手が、アクセントになり、また、オリジナル感、ナチュラル感を漂わせてくれます。
包みアリ組み接ぎ
教室では定番になってきました。
包みアリ組接ぎ。
強靭な接ぎ手です。
組み立て
仮組みを始めたばかりの画像です。
接着剤は入っていません。
胴付きに隙間が無いか?などのチェックをしていきます。
本体の完成後の姿です。
中はこんな感じです。
黒矢印のとこですが、ここには接着剤を入れず、木の伸縮が吸収できるように
可動できるようになっています。全部で8か所。
天然木の家具の場合になりますが、
板組み構造で、引出しを受けるために受け桟を使う場合、
この部分で、木の伸縮を吸収する可動部を設けるのが基本です。
引出しの組み立て中。
これを、4杯ですから、作るの結構大変です。
Mさん作業中
四方胴付き2枚ホゾのノコ切断中です。
ノコで切った後の線が、キレイなストレートな線が出ています。
切っているときに、迷いがなくスムーズに切れている証です。
本体の裏側で、カンナで「目違い払い」をされています。
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Mさん、結構な大作で、完成まで大変だったと存じます。
評価がクールだとおっしゃるご家族の方にも、多少評価を頂いたような…。
素敵に出来て、良かったです。
<北九州市、男性>