押入れ収納、4段引き出しのチェスト・箪笥

「押入れ」から「脚光」へ!予想を超えた”4段チェスト”

木工教室ブログ:2024/4/18

先日、バトミントンの仲間から言われました。

「はなださんのブログ、昭和の香りがする…」

おっしゃったのが30代の女性。

育った環境には、かなりのギャップがあるに違いない。




今日は、大きな4つの引出しの付いた収納家具のご紹介です。

押し入れ収納の4段引き出しのチェスト・箪笥

結構な迫力です。

現物はもっと迫力があります。

4段引き出し

Mさん、ご家族のご意向もあり、押入れ収納家具を作られました。

それでその大きさは、押入れに入るサイズで設計されました。


また、材料は、押入れに入れると、外観はほとんど見えませんので、

天板・地板・側板は、それほどコストをかけずにということで、パインの集成材を選ばれ、

逆に、多少、目に入る、引出しの前板については、タモの無垢材を使われました。

そして、どうせなら取っ手は、手作りで。




そして、制作は進み、いよいよ完成の形が見えてくるくらいのとき、

他の受講生の方から、

「えっ、これが押入れ収納?」

「もったいない…。」

「最低限、収納さえできれば!」との思いで作られたチェストですが、

予想を超えて美しく。


押し入れ収納の4段引き出しのチェスト・箪笥


先日、作品を、ご自宅に持ち帰られたのですが、

ご親族の方から、やはり、

「押入れに入れるのは勿体ない」

とのことで、只今、置き場所の思案中だそうです。


単なる収納からインテリアへの昇格です。

いいかえれば、「機能」だけから、見せる収納、「美」への転換でしょうか。




絵画や彫刻のような「美術」は、美しさや表現力で評価され、「機能」を求められません。

一方で、家具や陶芸、ガラス工芸などは、使い勝手の良さなど「機能」が求められます。

しかし、そのような工芸においても、ただ機能的であるだけではなく、

見た目の美しさやデザインも大切であることが、Mさんの作品を通じて実感できます。



そして、 教室で作る家具って

空間に「手作り感」や「人肌感」を匂わせたり、

自らの創造で生まれたオンリーワンの家具が、独自の特色や魅力で空間を「個性的」にしてくれたりなど、

生活空間に「彩り」を与えてくれますね。


手作り取っ手

手作り取っ手

手作り家具では、この手作り取っ手がひとつのポイントです。

取っ手が、アクセントになり、また、オリジナル感、ナチュラル感を漂わせてくれます。


包みアリ組み接ぎ

包みアリ組接ぎ

教室では定番になってきました。

包みアリ組接ぎ。

強靭な接ぎ手です。


包みアリ組接ぎの加工


組み立て

仮組み

仮組みを始めたばかりの画像です。

接着剤は入っていません。

胴付きに隙間が無いか?などのチェックをしていきます。


本体組立後

本体の完成後の姿です。

中はこんな感じです。



黒矢印のとこですが、ここには接着剤を入れず、木の伸縮が吸収できるように

可動できるようになっています。全部で8か所。


天然木の家具の場合になりますが、

板組み構造で、引出しを受けるために受け桟を使う場合、

この部分で、木の伸縮を吸収する可動部を設けるのが基本です。




引出しの組立

引出しの組み立て中。

これを、4杯ですから、作るの結構大変です。



Mさん作業中

鋸でホゾの切断中

四方胴付き2枚ホゾのノコ切断中です。

ノコで切った後の線が、キレイなストレートな線が出ています。

切っているときに、迷いがなくスムーズに切れている証です。




カンナで目違い払い

本体の裏側で、カンナで「目違い払い」をされています。


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Mさん、結構な大作で、完成まで大変だったと存じます。

評価がクールだとおっしゃるご家族の方にも、多少評価を頂いたような…。

素敵に出来て、良かったです。


<北九州市、男性>



押し入れ収納の4段引き出しのチェスト・箪笥



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Tel:093-342-9165