コンパクトなトリマーテーブル(トリマースタンド、ルーターテーブル)

コンパクトで調整が簡単!トリマーテーブル

木工教室ブログ:2023/12/30

今日のご紹介するのはトリマーテーブル。

ややマニアックな内容で、ご興味のない方、スイマセン。

トリマースタンド

今日は、先日完成したOさんのトリマーテーブル(ルーターテーブル)のご紹介です。

トリマーの刃を上にむけて使う場合に、このスタンドに設置して使います。

トリマーって何?

簡単に言うと、下図のように、

トリマースタンド加工ができることー飾り面取り トリマースタンド加工ができることー溝付きトリマースタンド加工ができることー段欠き


木の外周に「飾り面」を作ったり、「溝」を造ったり、「段差の加工」をしたり、

これを手加工で行うとなると、とても大変なのです。

なので、とても便利です。



さて、Oさん、何故、トリマーテーブルを作られたのか?

実は、Oさん、絵を描かれていて、

額縁がいろいろと必要で、

来年4月からは、遠方に異動されるため、当教室では作れず、

でも行った先で、自分で額縁を作る必要があり、

その際、これが必要で、

とのことで、今回、トリマーテーブルの制作の運びとなりました。


絵の額縁

上の絵は、自分で作った額縁に、自分の絵を、収められたところです。

お客さまにお渡しするため額縁に収められました。

いつも、Oさんの絵をインスタを拝見していますが、すごいペースでアップされています。

素敵な絵がたくさん!

私のような俗物的な人間ではなく、本物のアーティストの方です。



当教室のトリマースタンド

実際の製作ですが、下の教室で使っているオリジナルのトリマーテーブルをご参考にされました。

木工教室で使っているトリマースタンド

もう10年以上、受講生の方に使いまわされていますが、

ビクともしません。

構造は、本格的なホゾで接いでいますが、やはり、ホゾは強靭です。


そして、とてもコンパクト。

一般市販品は、2倍近く大きさがありますが、実は、この大きさで十分なようです。

教室では多種多様な加工をしていますが、「このテーブルでは小さすぎて困った」の記憶は有りません。


設計当初、とにかくコンパクトにしようと、いろんな加工ケースを想定し最小寸法を決めるのですが、

やはり、「小さかったらどうしよう?」の不安があり…。

結果的に大丈夫でした。



そして、もう一つのメリットあります。

フェンスの微調整が簡単なのです。



フェンスの微調整が簡単

フェンスとは下画像です
トリマースタンドのフェンス

これを調整する必要があるのですが、

このフェンスは、通常、左右の2か所で固定されます。


フェンスは下の2か所で固定されます。

トリマースタンドのフェンス用の穴

左側は固定して、右側はスライド式。

寸法をセッティングするとき、下の写真のように、

右側だけをスライドさせるだけで寸法のセッティング出来ます。

トリマースタンドのフェンス


トリマースタンドのフェンス


以前、市販品のテーブルを使っていた時、困っていました。

一般市販品の場合、両側がスライドするようになっていて、片方動かせば、もう片方も想定外に動き、調整に時間がかかる。

私の場合、片方をロックして、微調整は、片方をスライドするだけで調整できます。



作り方

Oさん、ホゾの技術が無いため、見本と同じものは作れないため、

板材を木ネジで接合するDIY仕様にて作りました。

また、構造は「かまち組」の木ねじ止めは強度が出ないため、「板組み」の木ねじ止めににされました。

材料は、下写真のシナランバーコア合板。

ランバーコア合板とは、木片を並べて板材にして、その両面に薄い合板を貼ったものです。

ランバーコア合板

この板を木ネジで接合していきます。


ランバーコア合板を切った面は、切り口の見栄えが悪く、見映えを良くしたいときは、木のテープ(木口テープ)を貼ります。


ランバーコア合板に木口テープを貼る


ランバーコア合板用の木口テープ
木口テープ


実はこれと同じ方法で、家具も作ることができます。。

本棚やキャビネット系など、収納用の大きな箱を作る際に便利です。

無垢材のように木の伸縮を考える必要なく、ホゾはなく、カンナで仕上げる手間が不要なので、

専門性が低く、工程が短く楽です。

また見た目は、無垢材のそれとあまり変わりません。



押し板

トリマースタンド用の押し板

小さい材料を加工するとき、指がトリマーの刃に近づきますので、

この押し板を使って材料を押すことで、安全性が高くなります。


トリマースタンド用の押し板

そして、こうやって収納します。


なんで、トリマーをテーブルに設置するの?


ところで、何故、トリマーテーブルを使うのでしょうか?

通常は、このようなテーブルに設置せず、機械を手に持って加工します。


テーブルに設置して使う最も多いケースは、

トリマーを手に持って、小さい材料を加工する際、

材料を固定するクランプに当たって、その部分が加工できない。

トリマーを送る(加工する)時、クランプに当たるのです。


大事なこと


ひとつ大事なことがあります。

通常、トリマーは手に持って加工します。

その際、刃は下向きです。

テーブルに設置して使用すると、刃は上向きです。


私の経験上ですが、

刃が上むくことで、危険性は圧倒的に高くなる。


ということで、トリマーテーブルを使うのは、

必要最小限で使いましょう。






Oさん、設計から製作まで大変だったと思います。

ちなみに設計は、今、使っているトリマーテーブルを参考にされました。

但し構造を、かまち組から板組みに変更する必要があって、大変だったと存じます。

お疲れさまでした。


<大分県中津市、女性>



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Tel:093-342-9165