今日のご紹介するのはトリマーテーブル。
ややマニアックな内容で、ご興味のない方、スイマセン。
今日は、先日完成したOさんのトリマーテーブル(ルーターテーブル)のご紹介です。
トリマーの刃を上にむけて使う場合に、このスタンドに設置して使います。
トリマーって何?
簡単に言うと、下図のように、
木の外周に「飾り面」を作ったり、「溝」を造ったり、「段差の加工」をしたり、
これを手加工で行うとなると、とても大変なのです。
なので、とても便利です。
さて、Oさん、何故、トリマーテーブルを作られたのか?
実は、Oさん、絵を描かれていて、
額縁がいろいろと必要で、
来年4月からは、遠方に異動されるため、当教室では作れず、
でも行った先で、自分で額縁を作る必要があり、
その際、これが必要で、
とのことで、今回、トリマーテーブルの制作の運びとなりました。
上の絵は、自分で作った額縁に、自分の絵を、収められたところです。
お客さまにお渡しするため額縁に収められました。
いつも、Oさんの絵をインスタを拝見していますが、すごいペースでアップされています。
素敵な絵がたくさん!
私のような俗物的な人間ではなく、本物のアーティストの方です。
当教室のトリマースタンド
実際の製作ですが、下の教室で使っているオリジナルのトリマーテーブルをご参考にされました。
もう10年以上、受講生の方に使いまわされていますが、
ビクともしません。
構造は、本格的なホゾで接いでいますが、やはり、ホゾは強靭です。
そして、とてもコンパクト。
一般市販品は、2倍近く大きさがありますが、実は、この大きさで十分なようです。
教室では多種多様な加工をしていますが、「このテーブルでは小さすぎて困った」の記憶は有りません。
設計当初、とにかくコンパクトにしようと、いろんな加工ケースを想定し最小寸法を決めるのですが、
やはり、「小さかったらどうしよう?」の不安があり…。
結果的に大丈夫でした。
そして、もう一つのメリットあります。
フェンスの微調整が簡単なのです。
フェンスの微調整が簡単
フェンスとは下画像です
これを調整する必要があるのですが、
このフェンスは、通常、左右の2か所で固定されます。
フェンスは下の2か所で固定されます。
左側は固定して、右側はスライド式。
寸法をセッティングするとき、下の写真のように、
右側だけをスライドさせるだけで寸法のセッティング出来ます。
以前、市販品のテーブルを使っていた時、困っていました。
一般市販品の場合、両側がスライドするようになっていて、片方動かせば、もう片方も想定外に動き、調整に時間がかかる。
私の場合、片方をロックして、微調整は、片方をスライドするだけで調整できます。
作り方
Oさん、ホゾの技術が無いため、見本と同じものは作れないため、
板材を木ネジで接合するDIY仕様にて作りました。
また、構造は「かまち組」の木ねじ止めは強度が出ないため、「板組み」の木ねじ止めににされました。
材料は、下写真のシナランバーコア合板。
ランバーコア合板とは、木片を並べて板材にして、その両面に薄い合板を貼ったものです。
この板を木ネジで接合していきます。
ランバーコア合板を切った面は、切り口の見栄えが悪く、見映えを良くしたいときは、木のテープ(木口テープ)を貼ります。
木口テープ
実はこれと同じ方法で、家具も作ることができます。。
本棚やキャビネット系など、収納用の大きな箱を作る際に便利です。
無垢材のように木の伸縮を考える必要なく、ホゾはなく、カンナで仕上げる手間が不要なので、
専門性が低く、工程が短く楽です。
また見た目は、無垢材のそれとあまり変わりません。
押し板
小さい材料を加工するとき、指がトリマーの刃に近づきますので、
この押し板を使って材料を押すことで、安全性が高くなります。
そして、こうやって収納します。
なんで、トリマーをテーブルに設置するの?
ところで、何故、トリマーテーブルを使うのでしょうか?
通常は、このようなテーブルに設置せず、機械を手に持って加工します。
テーブルに設置して使う最も多いケースは、
トリマーを手に持って、小さい材料を加工する際、
材料を固定するクランプに当たって、その部分が加工できない。
トリマーを送る(加工する)時、クランプに当たるのです。
大事なこと
ひとつ大事なことがあります。
通常、トリマーは手に持って加工します。
その際、刃は下向きです。
テーブルに設置して使用すると、刃は上向きです。
私の経験上ですが、
刃が上むくことで、危険性は圧倒的に高くなる。
ということで、トリマーテーブルを使うのは、
必要最小限で使いましょう。
Oさん、設計から製作まで大変だったと思います。
ちなみに設計は、今、使っているトリマーテーブルを参考にされました。
但し構造を、かまち組から板組みに変更する必要があって、大変だったと存じます。
お疲れさまでした。
<大分県中津市、女性>