今日は、Sさんの収納家具のご紹介です。
背は低めで横に長いタイプで、通常見る収納家具とはちょっと違います。
左は、開き戸、右は引き戸(引き違い戸)。
自分専用の用途に合わせて作る!
量産品に無いから自分で作る!
自分だけのオリジナルを作る!
キーワードは 自分!
そして、
良い無垢の木材を使って、
伝統的な技術で本格的に、
クオリティー高く作る。
楽しい♪
Sさん、本体の4隅のコーナーの組み接ぎも慣れたもの。
上手に出来ています。
蝶番取り付けも、今回が2回目。
取っ手作りも今回が2回目。
私がご指導させて頂く機会はあまりありませんでした。
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下写真は、Sさんの過去作品です。素敵ですね。
こちらにも、蝶番と手作り取っ手が付いています。
ちなみに、上の傾斜した部分にはステンドの鏡が置かれます。
Sさんの作品の過去ブログです。ご興味の方はご覧くださいませ。
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そして今回、Sさんの初チャレンジとなるのが「引き戸」。
教室にとっても初めてのことで、Sさんトップバッターです。
写真のような溝を作ったり、いろいろと手間がかかります。
今回のSさんの作品、思っている以上に手間のかかる作品でしたが、
最終的には素敵にできて良かったです!
Sさん、お疲れさまでした。
<福岡県築上郡 男性>
ご興味の方へ
(ご参考)引き戸(引き違い戸)の断面設計
実をいうと、ムカシ、家具引き違い戸の参考図をなかなか見つけることができませんでした。
(真剣に探していなかったかもしれません)
苦労した思いもあり、今回、自前の参考図を開示します。
設計が良くないと、
戸を本体にはめ込むとき、本体の上下の溝に、
戸が入らなかったり溝からはみ出たり…。
下の設計では、引き戸に車輪を使っています。
車輪を入れることで、開閉が楽になります。特に、戸が大きく重い場合などに有効です。
また、車輪は劣化した場合、交換が可能です。
車輪を入れない場合は、図面から削除して考えれば大丈夫です。
この図面は、戸の幅が60cm程度用で、もっと小さいものは各寸法を小さくして大丈夫です。
設計の2つのポイント
① 右扉と左扉がぶつからないようにする
濃青丸の3mmがありますが、この寸法は、上下2か所の
赤丸の2mmより大きくする。
赤丸2mmは、木が溝の中をスライドするときに必要な隙間です。
これが
青丸の3mmより大きくなると、右扉(または左扉)をスライドさせたときに左右の扉同士がぶつかる。
濃青丸>
赤丸
② 扉が開閉時に抜けないようにする。
戸をはめ込むときは、戸を持ち上げて上の溝に差し込んだのちに下の溝に落とし込みます(けんどん式)。
具体的には、
戸を持ち上げて上の溝(10mm=6+4mm)に差し込み、 のちに戸を下の溝に落とし込むと
薄青丸の4mm下に落ちて、
黄色丸6mmが溝に残り、戸は通常の開閉時に抜けません。
そして、左の
薄青丸4mmと右の
薄青丸4mmはおのずと同等の寸法になります。
まとめると、
戸を上の溝に深く差し込めるようにする。落とし込んだときに戸が上の溝に残るようにする。