コンソール、コマ、はしばめ接ぎ、包みアリ組接ぎ

きっちり作る!コンソール

木工教室ブログ:2023/3/2

当教室の作品は、

「自由に気ままに楽しく作る♪」 作品から

「しっかり学んでキッチリ作る!」 作品まで

さまざまです。

今日は、後者側の、「しっかり学んで…」の作品のご紹介です。


作ったのは、Oさん。

作品は、マスターコース(機械加工)の最終課題です。

Oさん、本職の方で、さすがに作業に隙が無い。




作品はコンソールといって、玄関入った廊下あたりにこの作品を置いて、ちょっとしたインテリアになります。

花を置いたり、上の壁面に絵を飾ったり…、



引出しはくり抜いた?



引出し前板は、その周りと木目が繋がっています。

一枚の板から、引出しの前板だけ、くり抜いたように見えます。

でも、「くり抜いた」のではなく、前板部分を切りだしたあと、それ以外の部分を接いでいます。


天板のカーブ



天板(甲板:こういた)の下面は曲面で、カンナで削ってキレイに曲面にされています。



コマ??



本体をひっくり返して撮った画像です。

下のような部品がコマです。



これも、天板の伸縮を吸収するための道具です。

「天板」と「下の本体」をつなぐ必要がありますが、

天板は、時と共に伸縮し動きます。

下の本体は伸縮せず動きません。

「動かないもの」に「動くもの」を頑丈に接続すると、

時が経って、割れたり歪んだり…。

このコマがあることで、天板の伸縮を吸収しながらも、本体と接続することができます。

天板の伸縮を吸収する方法は、いくつかありますが、そのひとつです。



はしばめ接ぎ



構造は、下になっています。



これも、先ほどの天板と同様に、棚板の伸縮を吸収します。


右側の部材の中央部に、オスの突起が二つでていますが(2段ホゾ接ぎ)、

この接ぎ手の部分だけ左側の部材とガッチリ固定され、

両サイドの背の低い突起部分(小根:コネ)部分は、スライドします。

接着剤は、中央部の2段ホゾ接ぎ部分だけ塗布し、

小根(コネ)部分は、伸縮できるようにするため、接着剤は入れません。



包みアリ組接ぎ



引出しの前の板と両サイドの板を、包みアリ組接ぎという接ぎ手で接合しています。


収納用の家具で、経年と共に、最も傷みやすい箇所が、

引出しの底板と、この前板と側板の接合部。

包みアリ組接ぎは強靭な接ぎ手です


素材が生きる



仕上げが良くて、美しいです。

素材が生きてる!


<山口県下関市 男性>





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