当教室の作品は、
「自由に気ままに楽しく作る♪」 作品から
「しっかり学んでキッチリ作る!」 作品まで
さまざまです。
今日は、後者側の、「しっかり学んで…」の作品のご紹介です。
作ったのは、Oさん。
作品は、マスターコース(機械加工)の最終課題です。
Oさん、本職の方で、さすがに作業に隙が無い。
作品はコンソールといって、玄関入った廊下あたりにこの作品を置いて、ちょっとしたインテリアになります。
花を置いたり、上の壁面に絵を飾ったり…、
引出しはくり抜いた?
引出し前板は、その周りと木目が繋がっています。
一枚の板から、引出しの前板だけ、くり抜いたように見えます。
でも、「くり抜いた」のではなく、前板部分を切りだしたあと、それ以外の部分を接いでいます。
天板のカーブ
天板(甲板:こういた)の下面は曲面で、カンナで削ってキレイに曲面にされています。
コマ??
本体をひっくり返して撮った画像です。
下のような部品がコマです。
これも、天板の伸縮を吸収するための道具です。
「天板」と「下の本体」をつなぐ必要がありますが、
天板は、時と共に伸縮し動きます。
下の本体は伸縮せず動きません。
「動かないもの」に「動くもの」を頑丈に接続すると、
時が経って、割れたり歪んだり…。
このコマがあることで、天板の伸縮を吸収しながらも、本体と接続することができます。
天板の伸縮を吸収する方法は、いくつかありますが、そのひとつです。
はしばめ接ぎ
構造は、下になっています。
これも、先ほどの天板と同様に、棚板の伸縮を吸収します。
右側の部材の中央部に、オスの突起が二つでていますが(2段ホゾ接ぎ)、
この接ぎ手の部分だけ左側の部材とガッチリ固定され、
両サイドの背の低い突起部分(小根:コネ)部分は、スライドします。
接着剤は、中央部の2段ホゾ接ぎ部分だけ塗布し、
小根(コネ)部分は、伸縮できるようにするため、接着剤は入れません。
包みアリ組接ぎ
引出しの前の板と両サイドの板を、
包みアリ組接ぎという接ぎ手で接合しています。
収納用の家具で、経年と共に、最も傷みやすい箇所が、
引出しの底板と、この前板と側板の接合部。
包みアリ組接ぎは強靭な接ぎ手です
素材が生きる
仕上げが良くて、美しいです。
素材が生きてる!
<山口県下関市 男性>