円テーブル、ラウンドテーブル、円卓

素材が生きる!美しい円テーブル

木工教室ブログ:2023/2/9

円テーブル、ラウンドテーブル、円卓

先日完成した、Sさんの円テーブル。

ラウンドテーブルなどとも言われます。

円が途中で切れて、壁などの他と接続できるのも、おもしろいです。

円テーブル、ラウンドテーブル、円卓

美しいですね。

カンナ仕上げからサンディングまでの仕上げが良く、

素材が生きています。

単に、「時間をかけて丁寧に」だけでは、こうはなりません。


円テーブル、ラウンドテーブル、円卓

ちょっと、脇役を付属させて頂きました。

円テーブル、ラウンドテーブル、円卓


脚3本は、自宅にあったものを再塗装して、この作品にご利用されました。

テーブルを下から覗くと、下写真のようになっています。

金属の板を、天板(甲板こういた)の裏面に取り付け、脚に頭に仕込んだ金属のネジを、この板にねじ込ませています。


天板の脚への取り付け



円テーブルの磨き

オービタルサンダー(サンディングの機械)でサンディング後、手磨き中。


Sさんが、淡々と磨いておられるとき、

作業されている、そのあたりの空気感がちょっと違っていて、

何か「魂」が、手に乗り移っているようで、その「思い」が伝わってきた感覚でした。

Sさん、大変お疲れさまでした

素敵にできて良かったです。


<北九州市 男性>





ご興味の方へ


円を作る


実は、円はさまざまな方法で作れます。

材料の大きさ・重さ、あるいは、一つだけ作る・同じものを幾つも作る、など、ケースに応じていろいろな方法で作ります。

ここでは、材料が大きくて重い場合の、今回の作り方をご紹介いたします。


トリマーで削って円を作る

下写真のように、トリマーに補助具を付けて、円形に動かします。

左手で中心部を押さえられていますが、中心に刺した釘が抜けないようにされています。

釘は、下の材料に直接、刺しているのではなく、板を一枚、材料の上に両面テープで貼ってその上に刺し、材料が傷つかないようにしています。

とても原始的ですが、トリマーのセッティングが早いです。

円テーブルのトリマー加工



荒切りするか否か

今回、外周を、仕上がりの円より、2~3mm程度の大きい円に「荒切り」しています。

その2~3mmが、トリマーによる仕上げ代になります。

「荒切り」無しで、平板から、いきなりこの作業を進めていっても、円の作成は可能です。


但し、2~3mm程度を薄く皮をむくように削るのと違って、荒切りをしない場合、トータルの削る量が増えますので、削る回数(外周をトリマーで回す回数)を増やす必要があります。今回、板厚が30mmと結構厚く、余計に何回も削る必要があります。

削る回数が多いほど、加工ミスのリスクが増え、また、手で押さえている所の「芯ズレ」のリスクが増えます。


荒切りする他のメリットもあります。

トリマーを運ぶときに、身体が材料の角に当ることがない、
また、トリマーの電源コードが角に引っかかることがない。


今回、何かの不都合で、「材料がオシャカになる」とガッカリなので、荒切りを事前に行い、リスクの少ない方法で作業して頂きました。



では、

荒切りは、どうやってする?

現実的には、バンドソーかジグソーで切断します。今回はジグソー切断していますが、そのあたりの詳しい話は、次の機会へと。



パターンビットを使う

下写真は、教室でしょっちゅう使われている、6mmストレートビット。

上のトリマー加工はこのビットを使われて加工されています。

トリマーのストレートビット

このビットは、直径6mm、刃の長さは18mmくらいだったと思います。

材料の厚さが、30mmなので、下まで届きません。

では無くて、このビットだと届きます。

刃を18mm以上下げた場合、刃の無いシャフト部分(直径6mm)が加工済みの部分に当たって、そこがガイドとなって刃が下げれるだけ下げれます。


でも今回、下写真の刃を使いました。

コロ付きビット、倣い(ならい)ビット、テンプレートビット、パターンビットなどさまざまな言い方をされています。


コロ付きビット、倣い(ならい)ビット、テンプレートビット、パターンビット

上写真の矢印のところが、コロになってクルクル周ります。

先ほどのストレートビットである程度加工したら、このビットに交換して、

コロを、加工済みの面にあてて、ビットを下げていきます。

これを使うことで、トリマーの補助具は不要になり、中心を手で押さえることから解放され、作業がシンプルになり加工ミスのリスクが減ります。



トリマーはアップカットで切る

トリマーを送る方向ですが、基本は、アップカットで切削します。

Sさんが加工されている写真では、材料の外周を、トリマーで「反時計回り」に送る、のがアップカットになります。

反対方向に送るのは、クライムカット言いますが、その辺のお話は次の機会へと。





◆木の家具工房「メープルモデューロ」
Tel:093-342-9165