今日は、先日修理した、Mさんの椅子の修理のお話です。
椅子は、アントチェアと言われるデザイナーズの椅子で、
デザイナーはアルネ・ヤコブセンと言われる方、製造元はデンマークのフリッツハンセン。1952年デザイン。
デザイナーの方も、製造元も、業界では超有名。
修理方法が、他の方のご参考になればと、
今回、写真をたくさん入れました。
修理は、
分離してしまった、「座面」とその下の「脚部」の合体。
座面の裏です。
脚部です。
写真の円形の中央にネジ穴が見えますが、
実は、座面と脚部は、この部分に入る木ネジ1本で固定されていました。
Mさんと2人で、「強度のなさ、恐るべし」
で、修理方法は、Mさんとあれこれご検討させて頂きました。
まずは、合板を丸い円形にして、
それを座面裏に、2液混合型の強力な接着剤を使って、一晩、圧締しました。
そのあとは、金属に穴を開け、
木ネジを入れて、本体と合体。
そして、修理するうえでとても重要ことがあります。
それは下写真で、丸で囲った4か所。
座面と脚部の当りの4箇所になりますが、ここに隙間を作ってはダメです。
強靭に密着させることが重要です。
ちょっとでも隙間があると、人が座った際の前後左右の揺れで、時と共にどんどん隙間は大きくなり、
いずれ、木ねじ止めした中央部分が破損します。
----------------------------------------------
実は、ホゾも同じです。
「胴付き」を密着させましょう、密着させましょう!と良く言っていますが、
それは、隙間があると「カッコ悪い!」
確かにそうですね、
でも、ホントは、
胴付きが密着していないと、いずれホゾがユルユルになって、抜けたり、折れたりします。
特に、人が座って左右にぶれる椅子は、要注意です。
ホゾは胴付きが密着して、初めて強度が出ます。
----------------------------------------------
完成♪
う~ん、カッコイイ
Mさん、手慣れた作業で、あっという間の修理でしたが、
お疲れさまでした。
<北九州市、男性>