アントチェア・セブンチェアの修理 Ant chair repair seven chair

名作椅子、アントチェアの修理

木工教室ブログ:2022/10/29

今日は、先日修理した、Mさんの椅子の修理のお話です。


椅子は、アントチェアと言われるデザイナーズの椅子で、

デザイナーはアルネ・ヤコブセンと言われる方、製造元はデンマークのフリッツハンセン。1952年デザイン。

デザイナーの方も、製造元も、業界では超有名。


アントチェア、アリンコチェア

アントチェア、アリンコチェアのフリッツハンセン社のラベル

修理方法が、他の方のご参考になればと、

今回、写真をたくさん入れました。





修理は、

分離してしまった、「座面」とその下の「脚部」の合体。


アントチェア、アリンコチェアの座面裏
座面の裏です。


アントチェア、アリンコチェアの脚部
脚部です。


写真の円形の中央にネジ穴が見えますが、

実は、座面と脚部は、この部分に入る木ネジ1本で固定されていました。


Mさんと2人で、「強度のなさ、恐るべし」


アントチェア、アリンコチェアの合板接着

で、修理方法は、Mさんとあれこれご検討させて頂きました。


まずは、合板を丸い円形にして、

それを座面裏に、2液混合型の強力な接着剤を使って、一晩、圧締しました。

アントチェア、アリンコチェアに合板の接着



そのあとは、金属に穴を開け、

アントチェア、アリンコチェアの木ねじ下穴開け



木ネジを入れて、本体と合体。

アントチェア、アリンコチェアの木ねじ止め

アントチェア、アリンコチェアの木ねじ止め



そして、修理するうえでとても重要ことがあります。

それは下写真で、丸で囲った4か所。

アントチェア、アリンコチェアの座面裏


座面と脚部の当りの4箇所になりますが、ここに隙間を作ってはダメです。

強靭に密着させることが重要です。

ちょっとでも隙間があると、人が座った際の前後左右の揺れで、時と共にどんどん隙間は大きくなり、

いずれ、木ねじ止めした中央部分が破損します。


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実は、ホゾも同じです。

「胴付き」を密着させましょう、密着させましょう!と良く言っていますが、

それは、隙間があると「カッコ悪い!」

確かにそうですね、

でも、ホントは、

胴付きが密着していないと、いずれホゾがユルユルになって、抜けたり、折れたりします。

特に、人が座って左右にぶれる椅子は、要注意です。

ホゾは胴付きが密着して、初めて強度が出ます。

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アントチェア、アリンコチェア

完成♪

う~ん、カッコイイ


Mさん、手慣れた作業で、あっという間の修理でしたが、

お疲れさまでした。


<北九州市、男性>


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Tel:093-341-0838

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