ブラックウォルナットの手彫りの器

ブラックウォルナットの器、回して切る?

木工教室ブログ:2022/1/6


木工教室を開講したのが、2010年の12月。

約11年経ちますが、この間、世の中、ズイブン、変わったような…。

私は私で、ほう骨あたりにたくさんのシミが出てきて…。



「忘れ」も増えてきて、…。

2階に置いている大きいハサミを取りに行こうと、ダダッと1階から2階に駆け上がって、

ポカン?

「アレッ! ワシ、何を取りにきたんじゃろ?」

…。




今日は、Yさんの木の器のご紹介です。

ダイナミックですね。

材料はブラックウォルナットで一辺25cmと、結構大きいです。



深彫りするとき、早く作業を進めるため、小型の機械でくり抜いたりするのですが、

Yさん、すべて手彫りで。


手彫りの器


木の器は、深さが深いほど、彫るのがむつかしい~。


Yさんのこの作品の場合、底面と側面のつなぎ目にラインがでていますので、

ライン付近に、予想せぬ傷がいっぱい入ってきます。

彫る途中、刃物をストップさせないと、際のところたくさん傷が入ります。

刃物で「突く」のではなく「回して切る」ことで、この傷が減ります。



Yさん、始めての手彫り器でしたが、素敵な器ができて、良かったです。

ご自身でいろいろ試行錯誤されながらの彫りでしたが、

たくさんのことをご経験されたのではないかと存じます。

大変、お疲れさまでした。


<福岡県鞍手郡、男性>




ご興味の方へ

回して切る?


木の器は、深さが深いほど、底面と側面のつなぎのカーブがどんどん急になってきて、

彫るのがむつかしくなってきます。

Yさんのこの作品の場合、底面と側面のつなぎ目のラインがありますので、

底面側からの彫るときは、刃物が側面に届くと同時に刃をストップさせ、

側面側からの彫るときは、刃物が底面に届くと同時に刃をストップ…。

彫る途中、刃物をストップさせないと、際のところたくさん傷ができます。

そして、刃物で「突く」のではなく「回して切る」ことで、ストップできます。



「回して切る?」

彫刻刀で彫る場合、通常、刃先を前の一方向に「突いて」行きますが、

「切る」場合、前に突く力をストップさせながら、刃を横にスライドさせながら木の表面を切っていきます。

こうすることで、前に行こうとする刃が勢いを制御することが出来たり、木がバサバサになったり(めくれが減ったり)するを防いでくれます。



彫りものだけでなく、家具づくりでノミを使うときにもお教えさせて頂くのですが、

どうも、日常生活ではあまり使わない手の動きのようで、…。

ちょっと四苦八苦。

でも、これができると、ノミ、彫刻刀、ナイフなど「使い」がワンランクアップします。

便利です。






◆木の家具工房「メープルモデューロ」
Tel:093-341-0838