木工教室を開講したのが、2010年の12月。
約11年経ちますが、この間、世の中、ズイブン、変わったような…。
私は私で、ほう骨あたりにたくさんのシミが出てきて…。
「忘れ」も増えてきて、…。
2階に置いている大きいハサミを取りに行こうと、ダダッと1階から2階に駆け上がって、
ポカン?
「アレッ! ワシ、何を取りにきたんじゃろ?」
…。
今日は、Yさんの木の器のご紹介です。
ダイナミックですね。
材料はブラックウォルナットで一辺25cmと、結構大きいです。
深彫りするとき、早く作業を進めるため、小型の機械でくり抜いたりするのですが、
Yさん、すべて手彫りで。
木の器は、深さが深いほど、彫るのがむつかしい~。
Yさんのこの作品の場合、底面と側面のつなぎ目にラインがでていますので、
ライン付近に、予想せぬ傷がいっぱい入ってきます。
彫る途中、刃物をストップさせないと、際のところたくさん傷が入ります。
刃物で「突く」のではなく「回して切る」ことで、この傷が減ります。
Yさん、始めての手彫り器でしたが、素敵な器ができて、良かったです。
ご自身でいろいろ試行錯誤されながらの彫りでしたが、
たくさんのことをご経験されたのではないかと存じます。
大変、お疲れさまでした。
<福岡県鞍手郡、男性>
ご興味の方へ
回して切る?
木の器は、深さが深いほど、底面と側面のつなぎのカーブがどんどん急になってきて、
彫るのがむつかしくなってきます。
Yさんのこの作品の場合、底面と側面のつなぎ目のラインがありますので、
底面側からの彫るときは、刃物が側面に届くと同時に刃をストップさせ、
側面側からの彫るときは、刃物が底面に届くと同時に刃をストップ…。
彫る途中、刃物をストップさせないと、際のところたくさん傷ができます。
そして、刃物で「突く」のではなく「回して切る」ことで、ストップできます。
「回して切る?」
彫刻刀で彫る場合、通常、刃先を前の一方向に「突いて」行きますが、
「切る」場合、前に突く力をストップさせながら、刃を横にスライドさせながら木の表面を切っていきます。
こうすることで、前に行こうとする刃が勢いを制御することが出来たり、木がバサバサになったり(めくれが減ったり)するを防いでくれます。
彫りものだけでなく、家具づくりでノミを使うときにもお教えさせて頂くのですが、
どうも、日常生活ではあまり使わない手の動きのようで、…。
ちょっと四苦八苦。
でも、これができると、ノミ、彫刻刀、ナイフなど「使い」がワンランクアップします。
便利です。