iFデザインコンペ受賞から数か月。量産化を目指して、製造・販売の委託を5社に打診しました(私はデザイナーとして参画する形)。
しかし、メールでのファーストアタックはすべて不発。実際に営業に動いてみるべきかと迷いましたが、最終的には踏み出さないことにしました。理由はただひとつ──先方から『ぜひ作らせてください』という明確な申し出がない限り、私にとってこの活動は成立しないと思いました。
そして今は、すでに次のステージ(コンペ)へ向けて邁進中です。
西日本新聞WEB版に作品が掲載されました(
https://www.nishinippon.co.jp/item/1493786/)
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今日は、Sさんの作品をご紹介します。
思わず「よく、こんなもの作れますね〜♪」と言われそうな、技術の詰まった一台です。
そして美しいですね。
ハイポジションの時のサイドテーブル
ローポジションの時のサイドテーブル
上下をばらした状態です。
完成までには、かなりの時間を要しました。
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永年、教室でご指導をさせていただくなか、つくづく感じることがあります。
受講生の方の中には、作品の大きさや難しさとは関係なく、完成までに長い時間をかける方もいらっしゃいます。
しかし、制作の最中には 、効率や費用といった外側の条件はほとんど気にされていません。
そうした方々は少なくありません。
内側から湧き上がる思いを形にしたい。
もっと多くの技術を身につけたい。
あるいは、誰かのために●●を作ってあげたい。
そのような方々は、外側の合理性ではなく、内側の静かな必然性に導かれて手を動かしている。
そんな気が致します。
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今回、Sさんの作品の構造はやや複雑で、制作方法においてもたくさんの技術が詰まっています。
高さの変更するための構造
高さを変更する際は、この丸棒が
下の写真のような「黒檀の丸棒を受ける凹み」に差し込まれます。
あるいは下の写真のような凹みの入った末端を、丸棒に差し込むことで、高さを可変できる仕組みです。
細部まで丁寧に加工されており、
この部分だけ見ても、作品の精度や Sさんの思いが伝わってきます。
三角形部分の制作
三角形部分の制作はとても難易度が高いです。
三角形の構造は2か所あります。
ひとつは、天板の下。
そして、もう一つは、脚部。
ホゾ穴の穴あけは斜め方向。
そのため、材料を斜めに保持するための治具を作り、 その上に載せて機械でホゾ穴を開けます。
天板下の三角形部分の仮組立。
脚部の三角形部分の仮組立。
この組立が結構難しいです。
クランプで締める際には、必ず三角形のサポート材が必要です。
ホゾ加工
ノコで切断した後、ノミで精度を追い込みます。
各所に多様なホゾが使われており、構造の複雑さがよく分かります。
丸棒の制作
黒檀をカンナで削って丸棒にしています。
断面を、四角 → 八角 → 十六角 → サンディング、と段階的に整えていきます。
角度の付いた脚底(上部)の加工
上部の脚底は、このように角度がついています。
手ノコで切断後、表面を綺麗にするため、水に濡らして柔らかくし、削り台の上でカンナで削ります。
Sさん、サウスポー。
天板の淵づくり
天板の外周には縁があり、 上に置いたものが滑り落ちにくいようなっています。
トリマーで加工します。
プロトタイプ(原寸大の試作)
今回、Sさんは原寸大の試作を行われました。
チェックするのは、
見た目、構造、使い心地、強度、作業工程、組み立て方
これだけの要素を、試作なしで一発で仕上げるのはさすがに難しい作品です。
設計から試作、そして本制作まで、Sさん、本当にお疲れさまでした。
作品はとても美しく、完成度も高く、
とっても素敵です。
<北九州市、男性>