オークの高さ2段階サイドテーブル|木工教室の生徒作品 

技術と美が融合した、「高さ可変サイドテーブル」

2026/8/28

iFデザインコンペ受賞から数か月。量産化を目指して、製造・販売の委託を5社に打診しました(私はデザイナーとして参画する形)。

しかし、メールでのファーストアタックはすべて不発。実際に営業に動いてみるべきかと迷いましたが、最終的には踏み出さないことにしました。理由はただひとつ──先方から『ぜひ作らせてください』という明確な申し出がない限り、私にとってこの活動は成立しないと思いました。

そして今は、すでに次のステージ(コンペ)へ向けて邁進中です。
西日本新聞WEB版に作品が掲載されました(https://www.nishinippon.co.jp/item/1493786/)

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今日は、Sさんの作品をご紹介します。

思わず「よく、こんなもの作れますね〜♪」と言われそうな、技術の詰まった一台です。

そして美しいですね。


オークの高さ2段階サイドテーブル

ハイポジションの時のサイドテーブル

高さを低い段にしたときのオークのサイドテーブル

ローポジションの時のサイドテーブル


上段と下段に分割した写真

上下をばらした状態です。

完成までには、かなりの時間を要しました。

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永年、教室でご指導をさせていただくなか、つくづく感じることがあります。

受講生の方の中には、作品の大きさや難しさとは関係なく、完成までに長い時間をかける方もいらっしゃいます。
しかし、制作の最中には 、効率や費用といった外側の条件はほとんど気にされていません。

そうした方々は少なくありません。

内側から湧き上がる思いを形にしたい。
もっと多くの技術を身につけたい。
あるいは、誰かのために●●を作ってあげたい。

そのような方々は、外側の合理性ではなく、内側の静かな必然性に導かれて手を動かしている。
そんな気が致します。
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今回、Sさんの作品の構造はやや複雑で、制作方法においてもたくさんの技術が詰まっています。

高さの変更するための構造

丸棒の黒檀

高さを変更する際は、この丸棒が

下の写真のような「黒檀の丸棒を受ける凹み」に差し込まれます。

高さ可変の際に使用する、丸棒の黒檀を受ける凹み

あるいは下の写真のような凹みの入った末端を、丸棒に差し込むことで、高さを可変できる仕組みです。

高さ可変の際に使用する、丸棒の黒檀を受ける凹み

細部まで丁寧に加工されており、

この部分だけ見ても、作品の精度や Sさんの思いが伝わってきます。



三角形部分の制作

天板を裏から見た写真

三角形部分の制作はとても難易度が高いです。

三角形の構造は2か所あります。

ひとつは、天板の下。


 脚部の三角形部分

そして、もう一つは、脚部。


治具の上に載せて角ノミ盤でホゾ穴を開ける

ホゾ穴の穴あけは斜め方向。

そのため、材料を斜めに保持するための治具を作り、 その上に載せて機械でホゾ穴を開けます。


天板と脚との仮組み

天板下の三角形部分の仮組立。


脚部の3角形部分の仮組み

脚部の三角形部分の仮組立。

この組立が結構難しいです。

クランプで締める際には、必ず三角形のサポート材が必要です。



ホゾ加工

天板と脚をつなぐホゾをノミで調整している

ノコで切断した後、ノミで精度を追い込みます。


天板と脚との仮組み

各所に多様なホゾが使われており、構造の複雑さがよく分かります。



丸棒の制作

JIGの上に置いて丸棒を作る

黒檀をカンナで削って丸棒にしています。

断面を、四角 → 八角 → 十六角 → サンディング、と段階的に整えていきます。



黒檀の削りくず



角度の付いた脚底(上部)の加工

削った後の脚底の写真

上部の脚底は、このように角度がついています。


脚底のカンナ削り

手ノコで切断後、表面を綺麗にするため、水に濡らして柔らかくし、削り台の上でカンナで削ります。

Sさん、サウスポー。


天板の淵づくり

天板の滑り落ち防止の縁

天板の外周には縁があり、 上に置いたものが滑り落ちにくいようなっています。

トリマーで加工します。



プロトタイプ(原寸大の試作)

試作品

今回、Sさんは原寸大の試作を行われました。

チェックするのは、

見た目、構造、使い心地、強度、作業工程、組み立て方

これだけの要素を、試作なしで一発で仕上げるのはさすがに難しい作品です。


 試作品を上段と下段に分割した写真

設計から試作、そして本制作まで、Sさん、本当にお疲れさまでした。

作品はとても美しく、完成度も高く、

とっても素敵です。



<北九州市、男性>


◆木の家具工房「メープルモデューロ」
Tel:093-342-9165