今日は、先日完成したKさんの作品のご紹介です。
前面の緩やかな曲線と、木目の美しさが印象的です。
キャビネットを上から見たところですが、
前面は柔らかなアーチを描いています。
台輪部分(本体の下の台座部分)も直線ではなく緩やかなカーブを持たせることで、全体の印象が柔らかくまとまっています。
観音開きのキャビネットの扉を開けたところ。
扉の鏡板は、チェリーの流れるような木目が際立ちます。
定番となった、黒檀の取っ手は、ばっちりアクセントになっていますね。
試作
これは、作品の扉と、本体前面部分の試作です。
今回のキャビネットでは、強度の確保と意匠性の両立のために「留め通しアリ組み接ぎ」を採用しています。
しかし、この作品が難しいのは、本体前面が曲面になっている点です。
そのため、試作をされています。
前面が曲面になると、
・留め通しアリ組み接ぎの45度部分の厚みを曲率に応じて調整する必要がある
・扉そのものも本体の曲率に合わせて曲面として成形する必要がある
といった、通常の直線構造では発生しない精密な加工が求められます。
これらは図面だけでは把握しづらく、また精度を高めるためにも、実際に材を使って試作を行い、接合部の状態や曲率の整合性を確認されています。
この部分の難易度は、第三者にはなかなか伝わりにくいところですが、
Kさんは一つひとつの工程を淡々と、そして確実に積み重ねておられます。
制作風景
制作はまず「チェリーのキャビネットの設計」からスタート。
寸法、構造、扉の納まり、扉の曲率など、細部まで検討しながら図面を仕上げていかれました。
アリ組み接ぎのノミ欠き取り途中
留めアリ組み接ぎのキャビネットの仮組み
仮組みで精度を確認しながら進めることで、最終的に隙間なく!!
扉の金具には、真鍮のヒンジを使用。
チェリー材との相性が良く、経年変化も楽しめる組み合わせです。
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Kさんの作品は、柔らかな曲面、丁寧なアリ組み、黒檀の取っ手と真鍮のヒンジによるアクセント、そしてチェリー材の美しい木目が調和した一台です。
どの工程でも、Kさんの技術と根気がしっかり詰まっています。
設計から仕上げまで、じっくりと自分だけの家具を形にしていく時間は格別です。
Kさん、大変お疲れさまでした。
<北九州市、女性>