今回ご紹介するのは、再生材の天板 + X貫 が印象的なテーブルです。
どこか柔らかさと存在感が宿っています。
天板には、使われなくなった古い座卓の天板を再利用されています。
長い年月を経た木ならではの落ち着きがあり、
削り直すことで再び家具として息を吹き返しました。
再生材ならではの深みのある木目が、作品全体の雰囲気を支えています。
この作品の大きな特徴は、脚をつなぐ X 型の貫。
一般的な直線ではなく、柔らかくカーブした“有機的なライン”で構成されています。
この形状が、テーブルに独特のリズムを与えています。
「普通で終わらない」のが、まさに M さんらしさです。
脚と貫の接合部をアップで見ると、
直線的なホゾ組みではなく、流れるようなラインでつながっています。
この柔らかい造形が、作品全体の雰囲気を優しくしています。
仮組みの様子
丸脚はカンナで削り出されたもので、
断面は完全な円ではなく、どこか“揺らぎ”のある形。
そのため、仮組みをしてみないと分からない部分も多く、
見た目のバランスや接合部の収まりなど、
あれこれ思考を巡らせながら進めていく工程そのものが
「モノづくりの時間」になっています。
実はこの作品、事前に“試作”が行われています。
目的は「見た目のバランス」と「X貫の接合確認」
コーナーにある部品は、「隅木(すみき)」と呼ばれるもの。
脚と幕板を一体化して、
横揺れを抑える
長期使用での緩みを防ぐ
といった役割を果たします。
赤丸で示した部分は、天板裏に残った 過去の名残。
再生材を使っていることの“証”でもあります。
時間の積み重ねが感じられるますね。
天板の伸縮を吸収する「コマ止め」
最後の写真では、天板の伸縮を吸収するための コマ止め が確認できます。
無垢材は季節によって伸び縮みするため、
天板をガチガチに固定してしまうと割れの原因になります。
伸縮の動きを逃がします
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M さんの作品は、いつも個性的です。
「姿かたち」「加工方法」などに未知の部分が多く、
それを解決するためには試行錯誤が必要で、
どこかアドベンチャーのような制作過程になります。
直感的で、猪突猛進的なアプローチは、
最初に設計をカチッと固める方法とは違い、
弊害はあるものの、
製作段階での自由度が高く、
木と向き合いながら形を探っていく楽しさがあります。
モノづくりのアプローチは、本当に人それぞれです。
M さん、大変お疲れさまでした。
今回も、個性が光るオンリーワンの、とても素敵な一作になりました。
ありがとうございました。
<北九州市、男性>