日本画用の「額縁」

日本画にベストフィットな!2重枠の「額縁」

木工教室ブログ:2019/5/3

ベストフィットの額縁

Oさん、額縁を作られました。

きっかけは、日本画を学んでいるけど、ベストフィットの額縁を作りたい…、とのことで。

日本画のための額縁

出来上がってみると、確かに、日本画にとても合った素敵な額縁ですね。マットな黒の部分が効いています。

このような、枠が外側と内側の二重になった額縁は、家具工房(木工教室)で作ると、結構、タイヘン。


たった一つの額縁のために


額縁の内枠と外枠

額縁屋さんが、オーダーの額縁を作る場合、木工教室で作る場合と比較して、やはり手軽です。

額縁屋さんの場合、外枠などは、塗装済みの長~い材料を問屋さんから仕入れます。

それを所定長さに4本切って、接合部の4か所を、ホッチキスの大きいヤツ、または、波釘などで二つをまたがせてつなぎます。

絵やガラスを収めるためのヘコミは、数あるバリエーションのなかから合うものを選んでいますので、特別な設計も加工も必要ありません。

額縁の内枠の加工

Oさんは、家具基礎コースと額縁コース(ミニコース)を修了されてはいるものの、これのすべてを自分で作る、となるとやはり大変です。

特に内側の枠は、小さくしようとすると、接ぎ手の収まりがギリギリで、必要最小寸法の割り出しには、アレコレお話ししたのを思い出します。

加工も細かく神経を使います。

すべては、たった一つの額縁のために。


「思い」がなければ、とてもできない


Oさんが印象的だったのは、設計から制作まで、妥協されない姿でした。

額縁の大きさを決めるとき、大きすぎると間が抜け、小さすぎるとせせこましい、材料の厚みや幅でも見栄えがかなり変わってきます。

そのため、実寸大の紙で、繰り返し、繰り返しシミュレーションしながら、…。

などなど、終始一貫、その場しのぎの「やっつけ仕事」ではありません。

組み立てた額縁をカンナで調整している

そして、
いずれ絵と一体になる額縁に、「個/自分」が紡ぎ(つむぎ)出されている、ようにも感じました。

これは、自由作品に取り組まれる木工教室の受講生の方に、ときどき感じることで、そのたびに、

受講生の方は、「思い」を作品に紡ぐ「作家さん(木工家)」でもあるのだなあ~、と思います。

額縁を下方から見たところ

結果的には、木を感じる、高品質で、どこにもないオンリーワンの額縁が出来て、私も嬉しいです。
(中の絵は練習用の絵で、差し替えられるらしいです)



自由作品コース、北九州市、男性>


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