ベストフィットの額縁
Oさん、額縁を作られました。
きっかけは、日本画を学んでいるけど、ベストフィットの額縁を作りたい…、とのことで。
出来上がってみると、確かに、日本画にとても合った素敵な額縁ですね。マットな黒の部分が効いています。
このような、枠が外側と内側の二重になった額縁は、家具工房(木工教室)で作ると、結構、タイヘン。
たった一つの額縁のために
額縁屋さんが、オーダーの額縁を作る場合、木工教室で作る場合と比較して、やはり手軽です。
額縁屋さんの場合、外枠などは、塗装済みの長~い材料を
問屋さんから仕入れます。
それを所定長さに4本切って、接合部の4か所を、ホッチキスの大きいヤツ、または、波釘などで二つをまたがせてつなぎます。
絵やガラスを収めるためのヘコミは、数あるバリエーションのなかから合うものを選んでいますので、特別な設計も加工も必要ありません。
Oさんは、
家具基礎コースと額縁コース(ミニコース)を修了されてはいるものの、これのすべてを自分で作る、となるとやはり大変です。
特に内側の枠は、小さくしようとすると、接ぎ手の収まりがギリギリで、必要最小寸法の割り出しには、アレコレお話ししたのを思い出します。
加工も細かく神経を使います。
すべては、たった一つの額縁のために。
「思い」がなければ、とてもできない
Oさんが印象的だったのは、設計から制作まで、妥協されない姿でした。
額縁の大きさを決めるとき、大きすぎると間が抜け、小さすぎるとせせこましい、材料の厚みや幅でも見栄えがかなり変わってきます。
そのため、実寸大の紙で、繰り返し、繰り返しシミュレーションしながら、…。
などなど、終始一貫、その場しのぎの「
やっつけ仕事」ではありません。
そして、
いずれ絵と一体になる額縁に、「
個/自分」が紡ぎ(つむぎ)出されている、ようにも感じました。
これは、自由作品に取り組まれる木工教室の受講生の方に、ときどき感じることで、そのたびに、
受講生の方は、「
思い」を作品に紡ぐ「
作家さん(木工家)」でもあるのだなあ~、と思います。
結果的には、
木を感じる、高品質で、どこにもないオンリーワンの額縁が出来て、私も嬉しいです。
(中の絵は練習用の絵で、差し替えられるらしいです)
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自由作品コース、北九州市、男性>
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